文化庁メディア芸術祭20周年企画展―変える力 開催!! メディアが変わり続けた20年。絶えず時代を映してきた作品群が一堂に会する大祭典!

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このたび、文化庁メディア芸術祭20周年企画展実行委員会は「文化庁メディア芸術祭20周年企画展―変える力」を2016年10月15日(土)から11月6日(日)までの23日間、東京・千代田区のアーツ千代田 3331を中心に開催します。
 
文化庁メディア芸術祭は、1997年の開催以来、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において優れた作品を顕彰するとともに、受賞作品の鑑賞機会を提供するメディア芸術の総合フェスティバルとして、国際的な発展を続けています。メディア芸術祭の20周年を記念して開催する本展では、「変化」をキーワードに、過去に審査委員を務めた4人の監修者によって選ばれた、歴代の受賞・審査委員会推薦作品の展示や上映等を行い、変容し続けるメディア芸術の多様な表現を紹介します。
 
本展は、メディア芸術祭の20年の歩みを辿ることで、メディア芸術と、それを取り巻く社会、文化、テクノロジーの「変化」や「流れ」を感じ取ることができる貴重な機会となります。「変化」や「流れ」は作品に内在する力とどのような関係性があるのでしょうか。本展は、作品が持つ「変える力」に焦点を当て、その延長線上に現れるメディア芸術の未来について考察する場となるでしょう。


文化庁メディア芸術祭20周年企画展―変える力 開催概要

会期 2016年10月15日(土)~11月6日(日)

会場 メイン会場:アーツ千代田 3331
         (東京都千代田区外神田6丁目11-14)
         ●開場時間=11:00~19:00 ※入場は閉場の30分前まで
         ●会期中無休

   サテライト会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]、
           UDX THEATER、国立新美術館、千代田区立日比谷図書文化館
           ※開館時間、休館日は会場によって異なります。

入場料 無料

主催 文化庁メディア芸術祭20周年企画展実行委員会

文化庁メディア芸術祭20周年企画展ウェブサイト http://20anniv.j-mediaarts.jp

※出展・イベント情報の詳細は上記ウェブサイトにて順次発表する予定です。
 

■文化庁メディア芸術祭20周年企画展実行委員会
宮田 亮平(文化庁長官/文化庁メディア芸術祭20周年企画展実行委員会会長)
建畠 晢(多摩美術大学長/文化庁メディア芸術祭運営委員)
古川 タク(アニメーション作家/文化庁メディア芸術祭運営委員/元アニメーション部門審査委員)
河口 洋一郎(CGアーティスト/東京大学大学院教授/第1~3回審査委員長/元アート部門審査委員)
原島 博(東京大学名誉教授/第4~6回審査委員長/元アート部門審査委員)
佐藤 卓(グラフィック・デザイナー/元アート部門審査委員)
岩谷 徹(ゲームクリエイター/東京工芸大学教授/元エンターテインメント部門審査委員)
田中 秀幸(アートディレクター/映像ディレクター/元エンターテインメント部門審査委員)
富野 由悠季(アニメーション監督/元アニメーション部門審査委員)
和田 敏克(アニメーション作家/元アニメーション部門審査委員)
里中 満智子(マンガ家/元アニメーション部門・マンガ部門審査委員)
しりあがり寿(マンガ家/元マンガ部門審査委員)
加藤 敬(文化庁文化部芸術文化課長)
中村 政人(アーツ千代田 3331 統括ディレクター)
阿部 芳久(CG-ARTS イノベーション事業企画室 ディレクター)
 

■みどころ ~文化庁メディア芸術祭の20年の歩みを紹介します~
①「 変化」をキーワードに、過去に審査委員を務めた4人の監修者が選んだ歴代受賞作品等を、一挙に展示します。

② 歴代の受賞・審査委員会推薦作品から厳選したアニメーションや実写等の多様な映像作品を上映します。

③ これまでのマンガ部門受賞作品の全巻を自由に閲覧できるマンガライブラリーを設置します。

④ 歴代受賞者等が出演するトークイベント、パフォーマンス、ワークショップ等の多彩なプログラムを開催します。
 

<部門監修者より>
 
アート部門
関口 敦仁

(美術家/愛知県立芸術大学教授/元アート部門審査委員)

プロフィール
1958年、東京都生まれ。東京藝術大学美術学部卒業、同大学院研究科修了。80年代より、絵画、インスタレーションを中心に活動。90年代より、CGやメディアを取り入れた制作活動を行なう。96年岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)教授、2001年情報科学芸術大学院大学(IAMAS)教授、09年情報科学芸術大学院大学長を経て、13年より現職。主にVR、ARを活用した歴史アーカイブ表示研究やデジタルファブリケーション表現研究のほかに、絵画、インスタレーションなどの表現活動も行なっている。

「社会が生み出そうとする力」、「技術が示す可能性」、「芸術による新しい価値」のトライアングルが相互に関係しながら、文化庁メディア芸術祭アート部門の20年間の歴史が形作られた。第1回大賞受賞作品の『KAGE』は、センシング技術が人と関わることで、新たなイメージを生み出す喜びを創出した。その表現は現在の言葉で、「インタラクティブ・プロジェクション・マッピング」とも言え、今も色褪せない新たなコミュケーションスペースの可能性を作り出している。第16回大賞受賞作品の『PendulumChoir』は、ロボティクスとオペラが融合した作品であり、あたかも宇宙空間内で繰り広げられる新たな身体表現の提示による無重力芸術の可能性を示している。これらの歴史を芸術体験として提供できる展覧会としたい。
 

エンターテインメント部門
伊藤 ガビン

(編集者/クリエイティブディレクター/元エンターテインメント部門審査委員)

プロフィール
1963年、神奈川県生まれ。コンピューターホビー誌の編集から、ゲームデザインの仕事を経て、現在はウェブサイトのディレクションや、映像制作多数。
デザインチームNNNNY(nnnny.jp)のメンバーでもある。読み物サイト「モダンファート(modernfart.jp)」編集長。女子美術大学短期大学部教授。

メディア芸術祭20周年ということで、エンターテインメント部門を中心に歴代の受賞作品、審査委員会推薦作品を振り返っている。古い作品の中には、今でもまったく色あせて見えない作品がある。逆に、これが賞をとっていたんですか?
というくらい陳腐化が激しいものもある。 一般的に、いつまでも色あせない作品の評価が高くなるだろうが、陳腐化の激しい作品というのは実は「それだけ今の日常に溶け込んであたりまえになった」表現を行なったという意味で、予言的な作品なのかもしれない?自分が何をいまも新鮮に感じ、何を陳腐に感じるのか是非確かめに来ていただきたいと思います。
 

アニメーション部門
氷川 竜介

(アニメ・特撮研究家/明治大学大学院客員教授/元アニメーション部門審査委員)

プロフィール
1958年、兵庫県生まれ。アニメ・特撮研究家、明治大学大学院客員教授。東京工業大学卒。文化庁メディア芸術祭審査委員、毎日映画コンクール審査委員、文化庁映画賞映画功労部門選考委員などを歴任。日本SF作家クラブ会員。文化庁向けに「日本特撮に関する調査報告書」「日本アニメーションガイドロボットアニメ編」を執筆。近著:『細田守の世界――希望と奇跡を生むアニメーション』(祥伝社、2015年)など。

メディア芸術祭の20年とは、デジタル革命が人の意識におよぼす不可逆的変化の20年と言える。中でもアニメーションは映像フォーマットが標準化されているがゆえに、ポテンシャルを大きく引き出されていった。個人制作は身近になり、送り手と受け手の感覚は接近し、コンテンツとしてデータ化され、インターネット経由で国境を越えて全世界へと拡大していった。
モバイル端末など個人鑑賞が普及した結果、現在の観客は逆に価値観の「共時性」を求めている。受賞作の数々から、そんな変化をとらえてみたい。
 

マンガ部門
伊藤 剛

(マンガ評論家/東京工芸大学教授/元マンガ部門審査委員)

プロフィール
1967年、名古屋市生まれ。マンガ評論家。著書に『テヅカ・イズ・デッド ひらかれたマンガ表現論へ』『マンガは変わる。』ほか。共著書に『マンガを「見る」という体験―フレーム キャラクター モダンアート―』など。2015年8月大分県立美術館より巡回の「『描く!』マンガ展~名作を生む画技に迫る――描線・コマ・キャラ~」監修。

女性の読者市場を基盤としたジャンルの確立と、女性作家の活躍は、日本マンガの特徴である。一方、メディア芸術祭の女性作家への授賞は、2000年代になってから大きく数を増やしている。これは2000年代のジャンルの多様化とそれに伴う豊かな達成の反映でもあるが、女性作家の活躍に、賞があとからついていったという見方もできよう。また本賞のこの間の変化は、受賞作品に加え、審査委員会推薦作品を含めた推移をみることで、よりくっきりと見えてくる。複数回の推薦を受けた作家・作品の存在がそれを物語っている。


<紹介作品>予定(一部)

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第1回 デジタルアート(インタラクティブ)部門 大賞 『KAGE』近森 基
© plaplax

 

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第6回 特別賞 『ほしのこえ』新海 誠
© Makoto Shinkai / CoMix Wave Films

 

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第12回 アニメーション部門 大賞 『つみきのいえ』加藤 久仁生
© ROBOT

 

PENDULUM CHOIR - Création chorale pour 09 solistes et 18 verrins hydrauliques. Conception et réalisation: Michel et André DECOSTERD
第16回 アート部門 大賞 『Pendulum Choir』Cod.Act (Michel DÉCOSTERD / André DÉCOSTERD)
© Cod.Act Photo: Xavier Voirol

 

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第18回 エンターテインメント部門 優秀賞 『handiii』近藤 玄大/山浦 博志/小西 哲哉
© exiii Inc.